抄録
Antilymphocyteglobulin (ALG) を用いた多剤併用療法を2回施行した小児再生不良性貧血のll歳女児例を報告した.初回の治療内容は, ALGにLymphoglobulinを使用し, これにcyclosporinA, danazol, G-CSFを併用した.ALGの副作用予防には, methylprednisoloneと抗ヒスタミン剤を使用した.ALGの使用による副作用は, 一過性の発熱と発疹を認めた.6カ月後の効果判定が無効であったため, 同一の免疫源によるALGを用い再度治療を行ったが, 副作用は初回と同様軽微であり, ALGの再使用は安全に行うことができた。同一の免疫源によるALGの再使用は, 同療法に無効な症例や再発例に対して, 治療法の選択肢の一つになりうると考えた.