日本小児血液学会雑誌
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小児急性骨髄性白血病における寛解不能症例の検討
石田 周奥田 久美子藤井 久紀山崎 桜子渡辺 由佳松田 基後藤 晶子後藤 裕明藤岡 憲一郎高橋 浩之甲斐 純夫船曳 哲典横田 俊平生田 孝一郎
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2001 年 15 巻 1 号 p. 27-31

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抄録
当科で経験した急性骨髄性白血病 (AML) の寛解不能症例について後方視的に解析した.1991~1999年の間に入院した2カ月~19歳までのAML 23例 (男児10例, 女児13例) 中, 寛解不能症例は6例 (26%) で, FAB分類ではM0が2例, M1が1例, M5が1例, M6が2例であった.このうちhyperleukocytosisを伴った2例は治療開始前の合併症で死亡し, 残りの4例は多種の寛解導入化学療法に対して抵抗性であった.化学療法無効症例はFAB分類でM0とM6であり, 諸家の報告による予後不良群と同様の傾向があった.寛解導入療法中の合併症死亡はなかった.Hyperleukocytosis症例には, 早急かつ十分なleukapheresisと厳重な全身管理が重要である.化学療法無効症例には造血幹細胞移植 (SCT) による寛解導入療法が適応となり, さらに強い治療抵抗性が予想される症例にはdouble SCTも考慮されうる.
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