日本小児血液学会雑誌
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骨髄移植後に骨軟骨腫を発症した4例
松原 央比嘉 猛牧本 敦高山 順横山 良平別府 保男大平 睦郎
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2001 年 15 巻 3 号 p. 187-191

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抄録

放射線照射に関連した骨軟骨腫は小児がん患者の長期生存例でしばしば観察され, 腫瘍床への高線量局所照射が関係していると報告されている.われわれは1982年9月~2000年9月までの18年間に骨髄移植後に骨軟骨腫を発症した4例を経験した.4例はいずれも移植前処置に全身放射線照射 (TBI) を用いた8歳以下の男児で, 移植後から発症まで3年以上経過していた.また骨軟骨腫は全身に多発して発生していた.これは当科で移植前処置にTBIを用い, 3年以上生存していた58例中の4例であった.TBIを用いなかった例には発症を認めなかった.骨軟骨腫の発症にはTBIの関与が示唆される.

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