日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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兄が乳児白血病を発症した12年後に弟が急性骨髄性白血病を発症した兄弟例
加藤 博文赤堀 史絵太田 茂鈴木 淳史多賀 崇竹内 義博黄瀬 一慶
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2004 年 18 巻 1 号 p. 39-42

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抄録
11ヵ月男児が貧血と肝腫大を主訴に来院し, 急性リンパ性白血病と診断された.CCLSG infant ALL874 protocolに従って治療を行い, 完全寛解に達した.しかし, その12年後に12歳の弟が汎血球減少をきたし, 急性骨髄性白血病と診断された.CCLSG AML 9805 protocolに従って治療を行い, 彼もまた完全寛解に達した.われわれはPCR-SSCP解析にてp53の変異を調べたが, 兄弟ともに異常を認めなかった.兄と弟の発症時期がかなり離れていることと, 兄弟で白血病の病型が異なることから, 同一原因によるとは考えにくかった.なお, 兄弟ともに現在も寛解を維持している.
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