1988 年 2 巻 4 号 p. 358-362
M-CSF (P-100) の好中球機能への影響を, 同種骨髄移植を施行した13例の患者において検討した.M-CSFは20万単位/kg/dayで移植後1-14日にわたって投与し, 好中球機能はCandida albicansを刺激物質として, サーモアクティブセルアナライザーで微量熱産生を測定して評価した.M-CSF投与群において移植後25日以内の熱産生はCandidaの刺激なしに尢進しており, これはM-CSFの好中球増殖促進の結果と思われた.さらにCandida添加による熱産生の増加量においても, 移植後35日までM-CSF投与群が非投与群を上まわっていた.結果としてM-CSFは骨髄移植後の好中球の増殖を促進するだけでなく, 一部の症例では明らかに殺菌能を亢進させ, 少なくとも好中球機能に悪影響はないと考えられた.