抄録
エステラーゼ染色で顆粒球系と単球系の性格を示した急性非リンパ性白血病 (ANLL) の3歳男児を報告する.初診時, 軽度の貧血, 出血傾向, 肝腫大, リンパ節腫大がみられた.白血球i数は17,300/μlで, 34%が白血病細胞であった.骨髄では, 前骨髄球様の形態を示す白血病細胞が96%に認められた.白血病細胞はペルオキシダーゼ強陽性であった.Naphthol-AS-D-chloroacetetateとα-naphthylbutyrateエステラーゼの両者が陽性で, 後者はNaFで阻害された.染色体分析では, 45 X, -Y, t (1P-; 14q+), 9q+, 12q-の異常核型を示した.本例の白血病は, まれな性状を有するANLL M3と思われる.