日本小児血液学会雑誌
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エステラーゼ染色で顆粒球系と単球系の性格を示した急性非リンパ性白血病の1小児例
青沼 架佐賜荒井 克幸諸橋 文雄川合 博中畑 龍俊小宮 山淳赤羽 太郎
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1988 年 2 巻 4 号 p. 434-438

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抄録
エステラーゼ染色で顆粒球系と単球系の性格を示した急性非リンパ性白血病 (ANLL) の3歳男児を報告する.初診時, 軽度の貧血, 出血傾向, 肝腫大, リンパ節腫大がみられた.白血球i数は17,300/μlで, 34%が白血病細胞であった.骨髄では, 前骨髄球様の形態を示す白血病細胞が96%に認められた.白血病細胞はペルオキシダーゼ強陽性であった.Naphthol-AS-D-chloroacetetateとα-naphthylbutyrateエステラーゼの両者が陽性で, 後者はNaFで阻害された.染色体分析では, 45 X, -Y, t (1P-; 14q+), 9q+, 12q-の異常核型を示した.本例の白血病は, まれな性状を有するANLL M3と思われる.
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