日本小児血液学会雑誌
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治療中に白血病へ移行したKlinefelter症候群合併anaplastic large cell lymphomaの1例
本田 裕子宮地 良介酒井 道生神薗 淳司中川 温子白幡 聡
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2006 年 20 巻 3 号 p. 180-184

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抄録
Anaplastic large cell lymphoma (ALCL) が白血病へ移行することは, きわめてまれであるとされている.今回, 白血病に移行したKlinefelter症候群合併ALCLのl例を報告する.症例は14歳男子.前縦隔にmalignant teratoma (immature teratoma+yolk sac tumor) を発症し, cyclophosphamide, vincristine, pirarubicin, cisplatinを用いた化学療法の後に外科的切除術を受けた.治療終了6ヵ月後に左上腕骨痛を訴え, CT画像上, 左上腕骨近位端に骨破壊を伴う軟部組織腫瘍が認められた.生検による病理組織検査ではCD30, anaplastic lymphoma kinasel (ALKI) が陽性でありALCLと診断された.また, 二次性徴の遅れと骨髄細胞の染色体分析より, Klinefelter症候群に合併したALCLと診断された.ALCLは化学療法に抵抗性で, 治療中に白血病へ移行した.
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