抄録
寛解導入療法中に腸重積を発症した急性リンパ性白血病 (ALL) の14歳男児を経験した.発熱と貧血を主訴に入院し, 白血球数は16, 6004μl (芽球68%) で, B 前駆細胞型ALLと診断した.Prednisolone (PSL) の内服で1週間後に末梢血中の芽球は消失した.3回目のvincristine (VCR) 投与後に腹痛を訴え, CT検査で空腸一空腸型の腸重積と診断した.化学療法を中断し, 高カロリー輸液下で絶飲食とし, 抗生剤・H、拮抗剤・メシル酸ガベキサートの投与を行った.骨髄抑制・L-asparaginaseによる凝固異常・PSLによる創傷治癒遷延を考慮して外科的治療は行わなかったが, 腹痛は徐々に改善して, 発症11日目に腸重積の自然解除を確認した.後の小腸造影では明らかな器質的病変は認められず, なんらかの微細な病変を先進部として, VCRによる腸蠕動障害によって腸重積を発症したと考えられる.