日本小児血液学会雑誌
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同種造血幹細胞移植後の小児患者におけるワクチン接種の現状
小児白血病研究会 (JACLS) におけるアンケート調査
梅田 雄嗣太田 秀明茶山 公祐力石 健石田 宏之渡邊 修大松本 公一原 純一鈴木 信寛
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2008 年 22 巻 5-6 号 p. 340-346

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抄録

小児白血病研究会 (JACLS) 全参加施設にアンケート用紙を送付し, 同種造血幹細胞移植後の小児患者へのワクチン接種の現状調査を行った.回収率は66.7% (66/99施設) であった.34.1%の施設がEBMT, CDC等のガイドラインを用いていた.免疫抑制剤中止患者群の接種率は不活化・トキソイドワクチン86.8%, 生ワクチン86.8%, 免疫抑制剤少量投与患者群の接種率は不活化・トキソイドワクチン30.2%, 生ワクチン11.3%であった.半数以上の施設で免疫学的回復を指標として開始していた.一部の施設では免疫抑制少量投与患者に対しても水痘, ポリオ (弱毒生) ワクチンを接種していた.また, 多くの施設で生ワクチンを移植後6または12ヵ月に接種していたが, 重篤な副作用は認めなかった.今後, 移植後早期のワクチン接種の安全性・効果を考慮する際, 免疫回復の指標の有用性を評価する前向き研究が必要である.

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