日本小児血液学会雑誌
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繰り返し大量methylprednisolone (M-PSL) パルス療法を施行した重症再生不良性貧血の3症例
横林 文子水田 俊涌波 淳子太田 きよみ八木 信一三浦 洋大元 習子佐藤 ふさこ萩原 温久小林 嘉一郎守田 哲朗寺田 喜平
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1990 年 4 巻 1 号 p. 96-104

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抄録
近年, 再生不良性貧血 (以下A. A.と略) の治療として免疫抑制療法が注目されている.今回, 私たちは中等症と重症のA.A.3例に大量M-PSLパルス療法 (以下パルス療法と略) を4~6コース, 3~8カ月間隔で施行し治療効果判定を行った.症例1 (16歳5ヵ月の男子) はGrade II, 症例2 (12歳の女子) はGrade Iでともに治療後Grade IIIとなりGood response, 症例3 (14歳8ヵ月の女子) はGrade I, 治療後Grade IIとなりPartial responseであった.3例すべてにおいてパルス療法後輸血回数の減少とPSL維持量の漸減中止がみられ, 症例1・2はPSL伸止後1年以上寛解状態を維持している.大量M-PSLパルス療法は発症早期が効果的であるが, 発症後8年を経過した症例でも反復すれば有効であると考えられた.パルス療法前後のT-cell subsetの経時的変化に若干の文献的考察を加えて報告した.
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