日本小児血液学会雑誌
Online ISSN : 1884-4723
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急性リンパ性白血病患児におけるサイトメガロウイルス感染の検討
1. サイトメガロウイルス感染症の臨床像の検討
庵原 俊昭安田 尚樹神谷 齊藤原 卓伊藤 正寛櫻井 實
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1990 年 4 巻 4 号 p. 355-360

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抄録

初発の急性リンパ性白血病 (ALL) 患児のうちサイトメガロウイルス (CMV) 病とウイルス学的に診断しえた12例を対象に, その臨床像につき検討した.全例入院時の血清抗体価は陰性であり, 新鮮白血球を含む輸血を受けていた.輸血後57.2±29.4日目に発熱を主症状として発症した.発熱期間は16.1±6.8日間であった.肝炎の合併は10例, 貧血の亢進は4例, 肺炎の合併は2例であった.貧血が亢進した4例中2例は寒冷凝集素症であり, 他の2例はaplastic crisisの像を示した.赤沈は中等度亢進するのみであり, CRPは12例中6例が陰性であった.死亡例は1例もなかった.以上の結果より, ALL患児においては, 輸血後, 数十日後に, 原因不明の発熱を認めた場合には, CMV病を疑い各種検査を行う必要があると思われた.

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