日本小児血液学会雑誌
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特発性血小板減少性紫斑病様病像で発症した若年型慢性骨髄性白血病の1例
甲斐 純夫生田 孝一郎佐々木 秀樹船曳 哲典松山 秀介森 哲夫
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1991 年 5 巻 2 号 p. 221-226

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抄録
特発性血小板減少性紫斑病様の症状にて発症した若年型慢性骨髄性白血病の1例を報告する.患児は1歳4ヵ月の男児で, 血小板減少と骨髄の巨核球増多を認めた, 赤血球系, 白血球系の異常はなくITPと診断しプレドニン投与により血小板数は増加した.7ヵ月後に末梢血の著明な血小板減少と白血球増多, 幼若細胞の出現を見たが, 骨髄では芽球の増加は見られなかった.さらに5ヵ月後の2歳5ヵ月時に肝脾腫, 単球増多, 胎児型ヘモグロビンFの増加により若年型慢性骨髄性白血病と診断した.本症例に見られた発病時のITP様症状は若年性慢性骨髄性白血病の前白血病状態と考えられた.
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