抄録
Kostmann型先天性好中球減少症の兄弟例に対してrhG-CSF (KRN 8601) を異なった投与方法で使用したので, その臨床効果および反応性の違いについて報告する.症例は2歳3か月の男児と日齢14の男児の兄弟例である.投与方法は24時間持続点滴静注法, 1時間点滴静注法, 皮下注法をそれぞれ用いた.rhG-CSFの投与により2症例とも成熟好中球の速やかな出現がみられ, 臨床症状の著明な改善を認めた.24時間持続点滴静注法を用いた症例では, 好中球数の増加の程度およびCRPの改善の程度は, 顕著であった.今後各投与方法における各時間でのrhG-CSFの血中濃度および好中球の関係を明らかにすることによりrhG-CSFの至適投与方法を検討することが必要と考えられた.