日本小児血液学会雑誌
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Biphenotype leukemiaのエクトエンザイム活性およびその阻害剤の影響
平竹 晋也東 英一永井 正高駒田 美弘櫻井 實
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1994 年 8 巻 6 号 p. 476-480

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抄録
細胞表面にectoenzymeを発現しているbiphenotype leukemiaは治療抵抗性白血病のひとつとして注目されている.われわれは急性リンパ性白血病 (ALL), biphenotype ALL, 急性非リンパ性白血病 (ANLL) それぞれの細胞株のneutral endopeptidase (CDlO) およびaminopeptidase N (CDl3 : APN) の活性を測定した.Biphenotype ALLのそれは両方とも存在し, ALLとANLL双方のlineageの特徴を有していることが示された.また, 酵素活性はその阻害剤によって濃度依存性に抑制され, 特にAPNの阻害剤であるウベニメクスは臨床血中濃度において酵素活性を抑制し, APN陽性細胞では増殖抑制を認めた.ANLLと同様に臨床におけるウベニメクスのCDI3陽性ALLにおける効果が示唆された.
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