日本小児血液学会雑誌
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悪性腫瘍患児における骨髄中CALLA (CD10) 陽性細胞の分析
久川 浩章脇口 宏新井 淳一久保田 晴郎倉繁 隆信
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1994 年 8 巻 6 号 p. 481-485

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抄録
白血病18例 (ALL 13例;AML 4例, CML 1例), 神経芽腫1例, 計19例について骨髄中CD10陽性細胞の比率を分析した.白血病では, 維持療法終了後の方が, 寛解導入療法後, 地固め療法後および維持療法中に比して有意に増加していた.治療終了18カ月後までの検討では, いずれも骨髄中CD10陽性細胞が増加しており, common ALLでは再発との鑑別が重要であると考えられた.また, 骨髄中CD10陽性細胞数とT細胞系あるいはB細胞系の抗原陽性細胞数の対比では, CD19陽性細胞と正の相関を, CD2陽性細胞と負の相関を示した.この結果は, 悪性腫瘍治療終了後の免疫系の回復過程の一時期を反映していると考えられた.
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