抄録
Bloom症候群と診断, 経過観察中の7歳男児に十二指腸粘膜下腫瘍が発症した.外科的に亜全摘術を施行し, 病理組織学的には非Hodgkinリンパ腫 (びまん性混合細胞型・B細胞型) と診断した.骨髄に腫瘍細胞の浸潤を認め, stageIVと考え化学療法を開始したが, 通常の治療プロトコールでは粘膜障害や骨髄抑制が強く認められた.抗癌剤を約半量に減量し12カ月で治療を終了し1年経つが, 完全寛解を維持している.今後慎重に経過観察し, 再発・二次癌・合併症の早期発見に努める必要がある.本邦ではBloom症候群16例中8例に悪性腫瘍の合併が報告されている.