日本小児血液学会雑誌
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Etoposideによると思われるt (9;11) とMLL遺伝子の再構成が認められた二次性白血病の1例
荒井 宏治伊藤 悦朗林 泰秀渡辺 潤子越前屋 竹寅葛西 幹雄須藤 善雅佐藤 雄一横山 雄
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1994 年 8 巻 6 号 p. 532-536

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抄録
われわれは, etoposideを含むALL再発治療regimen後に発症し, MLL遺伝子の再構成を認めた急性非リンパ球性白血病の症例を経験したので報告する.症例は10歳の男県で1988年4月に骨痛を主訴に当科を受診し, 精査によりCD10, CD19陽性のALLとして入院加療となった.1990年12月に治療が終了したが, その2カ月後, 骨髄と睾丸の再発をきたし, PVDA-III regimen, BFM rez87 regimenを施行し, 寛解が維持できたためプロトコールに従い1991年12月治療を終了した.初発時および再発時の芽球に特異的染色体異常を認めなかった.1992年7月, 末梢血に芽球が出現し;そのときの芽球は単球様で, t (9;11) (p22;q23) の染色体異常があり, MLL遺伝子の再構成を認めたのでetoposideによる二次性白血病と診断した.本患児へのetoposideの総投与量は1,060mg/m2であった.
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