Japanese Journal of Pharmaceutical Education
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Practical Article
Questionary survey about the stress caused by pharmacy rotation in Nihon Pharmaceutical University
Kunihiko FujiwaraMakoto MatsuuraTakeshi ChibaKenichi SakoMiho FujisawaTomoji Maeda
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2017 Volume 1 Article ID: 2017-008

Details
Abstract

薬学6年制教育が開始され,薬剤師としての臨床における実践的な態度・能力を修得することを目的とし病院及び薬局における長期実務実習が必修化された.この長期実務実習は学生が主体的に行動することが求められること,さらに臨床現場という異なった学習環境で長期間学習することから肉体的あるいは精神的ストレスを経験することになる.そこで,長期実務実習を行った学生を対象にしてストレスについてのアンケート調査を行い,検討した.その結果,服薬指導等のコミュニケーション系の実習項目にストレスを感じる学生が多く,男女間では,女子学生の方がストレスを受けやすい傾向が示され,さらに,病院と薬局実習においても,ストレスを感じる時期に違いがあること等が示された.これらの結果を踏まえて,可能な限り実習環境の均一化および実習前のストレス対策等を講じるなど,今後の実習に役立てていく予定である.

目的

平成18年度より薬学6年制教育が開始され,薬剤師としての臨床における実践的な態度・能力を修得することを目的とし,病院及び保険薬局における長期臨床実務実習(以下,実務実習)が必修化された.この実務実習は学生が主体的に行動することが求められること,さらに臨床現場という学内とは異なった学習環境で長期間学習することから,学生が肉体的あるいは精神的ストレスを経験することになる.この持続的なストレスは,学生の身体や精神の健康に影響を与える場合があることが報告されている1)

平成27年12月1日に施行された「改正労働安全衛生法に基づく,ストレスチェック制度」は,ストレスに関する検査結果を集団ごとに集計・分析するとともに,職場におけるストレス要因を評価し,職場環境の改善につなげることで,ストレスの要因そのものも低減させることを目的としており,この制度の施行は,メンタルヘルスケアの社会的重要性を示している.このような社会的背景を踏まえると,心の健康問題が社会に与える影響は,今後ますます増大すると考えられ,実務実習においても学生のストレス状態を把握し,実習期間中での教員のアドバイスを含めた介入など必要な対策を講じる必要がある.

我々は,これまでに実務実習の成果向上と10の資質をもった薬剤師育成のために,実務実習の現状および改善点の検討を行ってきた2,3).その結果から,実習時期,学生配置,指導薬剤師の関係など,いくつもの要因が学生のストレスに大きく関与していると考えられた.

そこで,本研究ではまず,実務実習におけるストレスについて,実務実習で修得を目的に示されている項目に対するストレス調査を行い,学生がどのような項目にストレスを感じているか検討を行った.

方法

1. 対象

平成27年度(I~III期)に実務実習を行った日本薬科大学(以下,本学)5年生108名(男子学生55名,女子学生53名)を対象に,アンケート調査を行った.対象学生には本調査の趣旨について文書を用いて説明し,了承が得られた後に実施した.

本調査で用いたアンケート項目を表1に示した.すなわち,Q1では病院・薬局の実務実習を行った時期,Q2・Q3では病院および薬局実習での不安を感じていた項目(病院14項目,薬局16項目),Q4では一番ストレスを受けた時期,Q5ではストレスを感じた時の状況とした.また,Q6・Q7では病院および薬局実習で行った実習項目(病院14項目,薬局19項目)に対して,学生がどれくらいストレスを感じたかを質問項目とした.なお,Q6・Q7のストレス強度は,5段階評価(5:とても強く感じた→1:感じなかった)とした.

表1 アンケート表
性別:1.男性 2.女性
Q1 実務実習はどの時期に行いましたか? 病院,薬局それぞれについてお答えください.
病院実習:1.第I期 2.第II期 3.第III期
薬局実習:1.第I期 2.第II期 3.第III期
Q2 病院実習にあたり,不安を感じていた項目があれば示してください.(複数回答可)
1.計数・計量調剤
2.服薬指導(外来)実践
3.注射剤調製
4.安全対策への配慮
5.医薬品の管理・供給・保存
6.麻薬・向精神薬・血液製剤など特別な配慮を要する医薬品の取扱
7.医薬品情報の入手・評価・加工
8.医師や医療スタッフへの情報提供
9.医療チームへの参加
10.薬剤管理指導業務実践
11.処方提案や支援への関与
12.院内製剤調製
13.薬物モニタリング(TDM)実践
14.中毒医療への関与
Q3 薬局実習にあたり,不安を感じていた項目があれば示してください.(複数回答可)
1.薬局製剤への関わり
2.薬局アイテムの管理と保存への関わり
3.麻薬など特別な配慮を要する医薬品の取扱
4.医薬品情報の入手・評価・加工
5.医師や医療スタッフへの情報提供
6.処方せんの受付
7.処方せんの監査と疑義照会
8.計数・計量調剤
9.計数・計量調剤の鑑査
10.服薬指導実践
11.調剤録記録と処方せんの保管・管理業務
12.調剤報酬の計算
13.安全対策への配慮
14.患者・顧客との接遇
15.一般用医薬品・医療用具・健康食品の販売・応対
16.在宅医療実践
Q4 実務実習はどの時期が一番ストレスを感じましたか?
病院実習
1.初日 2.1週間目まで 3.2週間目まで 4.3週間目まで
5.4週目まで 6.5週目まで 7.6週目まで 8.7週目まで
9.8週目まで 10.9週目まで 11.10週目まで 12.全部
薬局実習
1.初日 2.1週間目まで 3.2週間目まで 4.3週間目まで
5.4週目まで 6.5週目まで 7.6週目まで 8.7週目まで
9.8週目まで 10.9週目まで 11.10週目まで 12.全部
Q5 実務実習でどのような時にストレスを感じましたか?【複数選択可】
1.実習時間が長い・不規則
2.実習施設の設備や環境
3.調剤過誤や医療事故など安全について
4.指導薬剤師に対する不満
5.施設のスタッフに対する不満
6.希望通りにならないことへの不満
7.患者さんや患者さんの家族との関係
8.その他(           )
Q6 病院実習で行った次の実習項目に対して,どれくらいのストレスを感じましたか?
5段階(5:とても強く感じた→1:感じなかった)で示してください.
1.計数・計量調剤( 5 4 3 2 1 未実施 )
2.服薬指導(外来)実践( 5 4 3 2 1 未実施 )
3.注射剤調製( 5 4 3 2 1 未実施 )
4.安全対策への配慮( 5 4 3 2 1 未実施 )
5.医薬品の管理・供給・保存( 5 4 3 2 1 未実施 )
6.麻薬・向精神薬・血液製剤など特別な配慮を要する医薬品の取扱( 5 4 3 2 1 未実施 )
7.医薬品情報の入手・評価・加工( 5 4 3 2 1 未実施 )
8.医師や医療スタッフへの情報提供( 5 4 3 2 1 未実施 )
9.医療チームへの参加( 5 4 3 2 1 未実施 )
10.薬剤管理指導業務実践( 5 4 3 2 1 未実施 )
11.処方提案や支援への関与( 5 4 3 2 1 未実施 )
12.院内製剤調製( 5 4 3 2 1 未実施 )
13.薬物モニタリング(TDM)実践( 5 4 3 2 1 未実施 )
14.中毒医療への関与( 5 4 3 2 1 未実施 )
Q7 薬局実習で行った次の実習項目に対して,どれくらいのストレスを感じましたか?
5段階(5:とても強く感じた→1:感じなかった)で示してください.
1.薬局製剤への関わり( 5 4 3 2 1 未実施 )
2.薬局アイテムの管理と保存への関わり( 5 4 3 2 1 未実施 )
3.麻薬など特別な配慮を要する医薬品の取扱( 5 4 3 2 1 未実施 )
4.医薬品情報の入手・評価・加工( 5 4 3 2 1 未実施 )
5.医師や医療スタッフへの情報提供( 5 4 3 2 1 未実施 )
6.処方せんの受付( 5 4 3 2 1 未実施 )
7.処方せんの監査と疑義照会( 5 4 3 2 1 未実施 )
8.計数・計量調剤( 5 4 3 2 1 未実施 )
9.計数・計量調剤の鑑査( 5 4 3 2 1 未実施 )
10.服薬指導実践( 5 4 3 2 1 未実施 )
11.調剤録記録と処方せんの保管・管理業務( 5 4 3 2 1 未実施 )
12.調剤報酬の計算( 5 4 3 2 1 未実施 )
13.安全対策への配慮( 5 4 3 2 1 未実施 )
14.患者・顧客との接遇( 5 4 3 2 1 未実施 )
15.一般用医薬品・医療用具・健康食品の販売・応対( 5 4 3 2 1 未実施 )
16.在宅医療実践( 5 4 3 2 1 未実施 )
17.地域医療・地域福祉への関わり( 5 4 3 2 1 未実施 )
18.災害時医療への取り組み( 5 4 3 2 1 未実施 )
19.学校薬剤師業務への関わり( 5 4 3 2 1 未実施 )

2. 統計解析

複数選択可としたQ2,Q3の「不安を感じる項目」およびQ5の「どのようなストレスを感じたか」については,選ばれた選択肢間の関連性について分析を行うアソシエーション分析4)を用いて解析を行った.Q6,Q7の「ストレス強度」は因子分析を用いて分類を行い,男女間および施設間の2群間の検定には,Mann-Whitney U testを用いて解析した.なお,アソシエーション分析および因子分析は統計分析ソフトRを用いた.

結果

1. 病院実習での不安項目(Q2)

病院実習における14項目についてアンケートを行った結果(表2),不安を感じると回答した項目の上位には,服薬指導や情報提供などコミュニケーションに関する項目が多かった.また,調剤・製剤に関する項目の多くは下位に位置していたが,唯一注射剤調製が上位2番目に高いという結果であった.また,最も不安を感じたとされる「服薬指導(外来)実践」に関しては,約70%の学生が不安を感じると回答しており,「注射剤調製」に比べて,約1.8倍の学生が不安に感じているという結果であった.さらに,同項目を男女別に見ると,性別に関わらず高いという結果が得られた.一方,「医師や医療スタッフへの情報提供」,「薬剤管理指導業務実践」,「医療チームへの参加」,「処方提案や支援への関与」といったコミュニケーションに関する項目や,「計数・計量調剤」の項目に関しては,いずれも男子学生に比べて女子学生の方が不安を感じているという結果が得られ,特に,「薬剤管理指導業務実践」,「医療チームへの参加」,「処方提案や支援への関与」,および「計数・計量調剤」は,男子学生と比較して女子学生の方が10ポイント以上高いという結果が得られた.また,女子学生よりも男子学生の方が不安を持っていた項目として「注射剤調製」や「薬物モニタリング(TDM)実践」が挙げられたが,大きな差は認められなかった.

表2 病院実習にあたり不安を感じていた項目
不安を感じた項目(病院) 全体%
(順位)
男子%
(順位)
女子%
(順位)
薬局病院%
(順位)
病院薬局%
(順位)
服薬指導(外来)実践 69.4(1) 69.1(1) 69.8(1) 64.0(1) 74.1(1)
注射剤調製 38.9(2) 41.8(2) 35.8(6) 38.0(3) 39.7(2)
医師や医療スタッフへの情報提供 36.1(3) 34.5(3) 37.7(3) 38.0(3) 34.5(3)
薬剤管理指導業務実践 32.4(4) 25.5(5) 39.6(2) 34.0(5) 31.0(4)
医療チームへの参加 30.6(5) 23.6(6) 37.7(3) 34.0(5) 27.6(6)
処方提案や支援への関与 28.7(6) 20.0(7) 37.7(3) 28.0(7) 29.3(5)
薬物モニタリング(TDM)実践 27.8(7) 29.1(4) 26.4(8) 40.0(2) 17.2(10)
中毒医療への関与 21.3(8) 14.5(9) 28.3(7) 22.0(8) 20.7(8)
麻薬・向精神薬・血液製剤など 17.6(9) 18.2(8) 17.0(10) 12.0(10) 22.4(7)
計数・計量調剤 14.8(10) 9.1(12) 20.1(9) 10.0(11) 19.0(9)
院内製剤調製 12.0(11) 12.7(10) 11.3(11) 14.0(9) 10.3(12)
医薬品情報の入手・評価・加工 11.1(12) 12.7(10) 9.4(12) 8.0(12) 13.8(11)
安全対策への配慮 7.4(13) 5.5(13) 9.4(12) 6.0(13) 8.6(13)
医薬品の管理・供給・保存 5.6(14) 5.5(13) 5.7(14) 6.0(13) 5.2(14)

最初に行う実習が病院か,あるいは薬局かの違いで不安に感じる学生を比較すると(表2),「服薬指導(外来)実践」の項目では,最初に病院実習を行った学生(病院薬局組)(74.1%)の方が,薬局実習を最初に行った学生(薬局病院組)(64.0%)に比べて,不安に感じる割合が多い傾向にあった.また,これとは逆に,「薬物モニタリング(TDM)実践」の項目では,薬局病院組の学生(40.0%)が,病院薬局組の学生(17.2%)に比べて,不安に感じる学生が多いという結果も得られた.

Q2についてアソシエーション分析を行った結果(表3),12のルールが示され,ルールとして「処方提案や支援への関与」を選んだ学生が,外来患者に服薬指導を行う「服薬指導(外来)実践」を選ぶ確率は,全体の約23%を占めていた.また,「薬物モニタリング(TDM)実践」について不安を持っている学生は,「注射剤調製」と「中毒医療への関与」の2つにも不安を感じていることが明らかとなり,「薬物モニタリング(TDM)実践」とともに,「注射剤調剤」あるいは「中毒医療への関与」に不安を感じる確率は,「薬物モニタリング(TDM)実践」のみに不安を感じる確率よりも約3倍高いことが明らかとなった(表3).

表3 病院実習にあたり不安を感じていた項目のアソシエーション分析
アソシエーションルール 支持度 確信度 リフト
条件部 結論部
院内製剤調製 服薬指導(外来)実践 0.11 0.92 1.33
計数・計量調剤 服薬指導(外来)実践 0.13 0.88 1.26
麻薬・向精神薬・血液製剤など 服薬指導(外来)実践 0.17 0.95 1.36
処方提案や支援への関与 服薬指導(外来)実践 0.23 0.81 1.16
注射剤調製,麻薬・向精神薬・血液製剤など 服薬指導(外来)実践 0.10 0.92 1.32
注射剤調製,中毒医療への関与 薬物モニタリング(TDM)実践 0.10 0.92 3.30
医療チームへの参加,処方提案や支援への関与 服薬指導(外来)実践 0.13 0.88 1.26
医師や医療スタッフへの情報提供,処方提案や支援への関与 服薬指導(外来)実践 0.15 0.89 1.28
薬剤管理指導業務実践,処方提案や支援への関与 服薬指導(外来)実践 0.14 0.88 1.27
医療チームへの参加,薬剤管理指導業務実践 服薬指導(外来)実践 0.12 0.81 1.17
注射剤調製,医師や医療スタッフへの情報提供 服薬指導(外来)実践 0.10 0.85 1.22
医師や医療スタッフへの情報提供,医療チームへの参加,処方提案や支援への関与 服薬指導(外来)実践 0.10 0.92 1.32

2. 薬局実習での不安項目(Q3)

薬局実習では,16項目についてアンケートを行った.その結果(表4),病院実習と同じく,学生が最も不安に感じる項目として「服薬指導実践」が挙げられ,約60%の学生が不安を感じると回答した.また,同項目を男女別で比較すると,男女間で大きな違いは認められなかった.

表4 薬局実習にあたり不安を感じていた項目
不安を感じた項目(薬局) 全体%
(順位)
男子%
(順位)
女子%
(順位)
薬局病院%
(順位)
病院薬局%
(順位)
服薬指導実践 69.4(1) 69.1(1) 69.8(1) 64.0(1) 74.1(1)
患者・顧客との接遇 49.1(2) 52.7(2) 45.3(2) 46.0(2) 51.7(2)
処方せんの監査と疑義照会 38.9(3) 34.5(3) 43.4(3) 34.0(3) 43.1(3)
在宅医療実践 37.0(4) 30.9(4) 43.4(3) 30.0(4) 43.1(3)
一般用医薬品・医療用具・健康食品 24.1(5) 21.8(7) 26.4(5) 18.8(8) 29.3(5)
医師や医療スタッフへの情報提供 23.1(6) 23.6(6) 22.6(6) 22.0(6) 24.1(6)
調剤報酬の計算 22.2(7) 25.5(5) 18.9(8) 24.0(5) 20.7(7)
計数・計量調剤の鑑査 19.4(8) 16.4(8) 22.6(6) 20.0(7) 19.0(8)
計数・計量調剤 16.7(9) 14.5(9) 18.9(8) 18.8(8) 15.5(9)
処方せんの受付 14.8(10) 12.7(10) 17.0(10) 16.0(10) 13.8(10)
麻薬など特別な配慮を要する医薬品の取り扱い 10.2(11) 10.9(11) 9.4(12) 10.0(12) 10.3(11)
調剤録記録と処方せんの保管・管理業務 8.3(12) 9.1(12) 7.5(13) 12.0(11) 5.2(14)
薬局製剤への関わり 7.4(13) 3.6(15) 11.3(11) 8.0(13) 6.9(13)
医薬品情報の入手・評価・加工 7.4(14) 7.3(14) 7.5(13) 6.0(15) 8.6(12)
薬局アイテムの管理と保存への関わり 5.6(15) 9.1(12) 1.9(16) 8.0(13) 3.4(15)
安全対策への配慮 3.7(16) 3.6(15) 3.8(15) 4.0(16) 3.4(15)

一方,「在宅医療実践」では,女子学生(43.4%)の方が,男子学生(30.9%)に比べて不安に感じている学生が多いことが明らかとなった.さらに,同項目について,施設に行く順番で比較すると,病院薬局組の学生(43.1%)が,薬局病院組の学生(30.0%)に比べて,不安に感じている割合が高いことが明らかとなった.

アソシエーション分析の結果では,14のルールが示され(表5),ルールとして「患者・顧客との接遇」を選んだ学生が「服薬指導実践」を選ぶ確率は全体の約40%を占めていることが明らかとなった.また,「計数・計量調剤」に不安を持っている学生が「患者・顧客との接遇」にも不安を感じる確率は,「計数・計量調剤」のみに不安を感じる確率に比べて,約4倍高いことが明らかとなった(表5).

表5 薬局実習にあたり不安を感じていた項目のアソシエーション分析
アソシエーションルール 支持度 確信度 リフト
条件部 結論部
処方せんの受付 服薬指導実践 0.14 0.94 1.58
計数・計量調剤 患者・顧客との接遇 0.14 0.83 4.29
計数・計量調剤 服薬指導実践 0.14 0.83 1.41
計数・計量調剤の鑑査 服薬指導実践 0.17 0.86 1.45
医師や医療スタッフへの情報提供 服薬指導実践 0.19 0.84 1.42
患者・顧客との接遇 服薬指導実践 0.41 0.83 1.40
調剤報酬の計算,医薬品情報の入手・評価・加工 服薬指導実践 0.15 0.89 1.50
服薬指導実践,調剤報酬の計算 患者・顧客との接遇 0.15 0.89 1.81
医師や医療スタッフへの情報提供,患者・顧客との接遇 服薬指導実践 0.16 0.90 1.51
医師や医療スタッフへの情報提供,服薬指導実践 患者・顧客との接遇 0.16 0.81 1.65
患者・顧客との接遇,一般用医薬品・医療用具・健康食品 服薬指導実践 0.15 0.94 1.59
服薬指導実践,一般用医薬品・医療用具・健康食品 患者・顧客との接遇 0.15 0.80 1.63
処方せんの監査と疑義照会,宅医療実践 服薬指導実践 0.16 0.85 1.43
患者・顧客との接遇,在宅医療実践 服薬指導実践 0.18 0.86 1.46

病院および薬局実習のアソシエーション分析から,病院で外来患者への服薬指導を行う「服薬指導(外来)実践」と薬局での「服薬指導実践」のみに不安を感じていた学生は少なく,それぞれについて「処方提案や支援への関与」や「処方せんの受付」など服薬指導と関連した項目を一緒に選択していることが示された.一方,両実習とも約13%の学生が不安項目として「計数・計量調剤」を選び,その関連項目として「服薬指導(外来)実践」あるいは「服薬指導実践」を選んでいた.

3. ストレスを感じた時期(Q4)

ストレスを感じた時期について,計12項目でアンケートを行った(表6).病院実習では,一番ストレスを感じる時期として,40.0%の学生が「実習期間全部」と回答し,男女間や,施設に行く順番には影響を受けないことがわかった.一方,初日に関しては,男女間での違いは認められなかったが,薬局病院組の学生が,病院薬局組の学生に比べて,ストレスを感じている学生が多いという結果であった.

薬局実習では,病院実習同様に,一番ストレスを感じる時期として「実習期間全部」と回答した学生が25.5%と最も多かった.興味深いことに,薬局実習では,全実習期間(25.5%)と実習初日(22.5%)にストレスを感じる学生の割合はほぼ同等であった.さらに,実習初日では,薬局病院組の学生が,病院薬局組の学生に比べて,ストレスを感じた学生の割合が高かったが,全実習期間を通してみると,病院薬局組の学生がストレスを感じているという結果が得られた.

表6 ストレスを感じた時期
時期(病院) 全体(%) 男子(%) 女子(%) 薬局病院(%) 病院薬局(%)
初日 10.5 11.3 9.6 16.3 5.4
1週間 10.5 7.5 13.5 14.3 7.1
2週間 7.6 13.2 1.9 4.1 10.7
3週間 13.3 15.1 11.5 8.2 17.9
4週間 5.7 3.8 7.7 2.0 8.9
5週間 3.8 3.8 3.8 4.1 3.6
6週間 2.9 0.0 5.8 2.0 3.6
7週間 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
8週間 2.9 3.8 1.9 0.0 5.4
9週間 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
10週間 2.9 1.9 3.8 6.1 0.0
全部 40.0 39.6 40.4 42.9 37.5
時期(薬局) 全体(%) 男子(%) 女子(%) 薬局病院(%) 病院薬局(%)
初日 22.5 25.5 19.6 31.9 14.5
1週間 20.6 15.7 25.5 19.1 21.8
2週間 11.8 11.8 11.8 12.8 10.9
3週間 3.9 5.9 2.0 4.3 3.6
4週間 6.9 3.9 9.8 8.5 5.5
5週間 3.9 3.9 3.9 6.4 1.8
6週間 1.0 0.0 2.0 0.0 1.8
7週間 1.0 0.0 2.0 0.0 1.8
8週間 1.0 0.0 2.0 0.0 1.8
9週間 2.0 3.9 0.0 2.1 1.8
10週間 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
全部 25.5 29.4 21.6 14.9 34.5

4. どのようなときにストレスを感じたか(Q5)

「指導薬剤師に対する不満」が34.3%占めており,続いて「実習施設の設備や環境」が23.1%,「実習時間が長い・不規則」が22.2%,「施設のスタッフに対する不満」が21.3%と上位を占めていた(表7).「指導薬剤師に対する不満」においては,女子学生(41.5%)の方が,男子学生(27.2%)に比べて約15ポイント高い結果であり,男女ともに1位であった.また,「施設のスタッフに対する不満」も女子学生(32.1%)の方が,男子学生に比べて約22ポイントと高く,女子学生に関しては,指導薬剤師やスタッフに対する不満が高いことが分かった.一方,男子学生に関しては,施設スタッフに対する不満は約11%であり,あまり不満とは感じていない結果であった.施設に行く順番とストレスの種類の関係については,「施設のスタッフに対する不満」が薬局病院組の学生が28.0%,病院薬局組の学生が15.5%であり,薬局病院組の学生が約13ポイント高く,「指導薬剤師に対する不満」に続いて2位であった.その他のコメントとしては,「自分の知識不足に対する不満」や「他大学の学生の不満」などが記載されてあった.

表7 ストレスの種類
ストレスの種類 全体%
(順位)
男子%
(順位)
女子%
(順位)
薬局病院%
(順位)
病院薬局%
(順位)
指導薬剤師に対する不満 34.3(1) 27.2(1) 41.5(1) 30.0(1) 37.9(1)
実習施設の設備や環境 23.1(2) 23.6(2) 22.6(3) 20.0(4) 25.9(2)
実習時間が長い・不規則 22.2(3) 21.8(3) 22.6(3) 18.0(5) 25.9(2)
施設のスタッフに対する不満 21.3(4) 10.9(6) 32.1(2) 28.0(2) 15.5(4)
その他 17.6(5) 20.0(4) 15.1(5) 22.0(3) 13.8(5)
調剤過誤や医療事故など安全について 12.0(6) 12.7(5) 11.3(6) 12.0(6) 12.1(6)
希望通りにならないことへの不満 8.3(7) 9.1(8) 7.5(7) 8.0(7) 10.3(7)
患者さんや患者さんの家族との関係 7.4(8) 10.9(6) 3.8(8) 4.0(8) 8.8(8)

各項目について,アソシエーション分析を行った結果,男女合わせた解析では,ルールが検出されなかった.そこで,女子学生(53名)についてのみ解析を行ったところ,3つのルールが示された(表8).特徴としては,「実習施設の設備や環境」,「実習時間が長い・不規則」,「施設のスタッフに対する不満」を選んだ学生の50%から70%が同時に「指導薬剤師に対する不満」を選んでおり,この3つのうちの項目を1つ選び「指導薬剤師に対する不満」も選んだ女子学生は女子全体の約50%程度に達する.

表8 ストレスの種類のアソシエーション分析
アソシエーションルール 支持度 確信度 リフト
条件部 結論部
実習施設の設備や環境 指導薬剤師に対する不満 0.11 0.50 1.23
実習時間が長い・不規則 指導薬剤師に対する不満 0.17 0.75 1.84
施設のスタッフに対する不満 指導薬剤師に対する不満 0.19 0.59 1.44

5. 病院実習におけるストレス強度(Q6)

病院でのQ2の実習項目に対してどれくらいのストレスを感じたか(ストレス強度)のアンケート結果について共通因子を求めるために因子分析を行ったところ(表911),2つのグループに分けられた.1番目の因子は,服薬指導や,情報提供などコミュニケーションに関する項目が高いパターンを示しており,【コミュニケーション系】とした.2番目の因子は注射剤調製や薬物モニタリング(TDM)実践などの調剤・製剤に関する項目が高いパターンを示しており,【調剤系】とした.【コミュニケーション系】の「服薬指導(外来)実践」,「医師や医療スタッフへの情報提供」,「薬剤管理指導業務実践」,「処方提案や支援への関与」,「医療チームへの参加」が上位5位を占めた.これら5項目に関しては平均値が2.5を超えていることから,ストレス強度としては強かったと思われる.【調剤系】では,不安を感じる項目で2位に位置していた注射剤調製が6番目であった.

表9

ストレス強度(病院)

平均ストレス強度が2.5以上の項目を男女間および施設に行く順番で比較してみると,男子学生では2.5以上を超える項目は「服薬指導」と「医師や医療スタッフへの情報提供」の2項目であるの対して,女子学生は「服薬指導」,「医師や医療スタッフへの情報提供」,「薬剤管理指導業務実践」,「処方提案や支援への関与」,「医療チームへの参加」,「注射剤調製」および「医療品情報の入手・評価・加工」の7項目であった.

施設に行く順番では,薬局病院組の上位の5項目で,病院薬局組の上位8番目までが2.5以上であった.また,男女間および施設に行く順番による 2群間の比較を,Mann-Whitney U testを用いて解析したところ,有意な差が認められなかった.

6. 薬局実習におけるストレス強度(Q7)

薬局での実習項目に対するストレス強度については,Q3の「不安を感じていた項目」に薬剤師の地域活動に関する3項目を加えた19項目についてアンケートを行い,その結果について,病院実習におけるストレス強度の解析同様に因子分析を行った(表1011).病院実習での場合と同様に1番目の因子は【コミュニケーション系】とし,2番目の因子は【調剤系】とした.さらに,3番目の因子として在宅医療,学校薬剤師業務への関わり等から【地域医療系】とした.ストレスを感じた項目の上位には病院と同様【コミュニケーション系】の項目が多く,上位1位から3位までは【コミュニケーション系】であった.また,上位3番目までの順番は男女間および施設に行く順番でも同じようなパターンであり,平均値が2.5を超えていることから,ストレス強度としては強かったと思われる.【調剤系】に分類される4番目の「医師や医療スタッフへの情報提供」や,どこにも分類されない5番目の「一般用医薬品・医療用具・健康食品の販売・応対」などは,コミュニケーションも必要とする項目なので上位に位置していると考えられる.平均値2.5以上の項目を男女間および施設間で比較してみると,男子学生では2.5以上を超える項目は「服薬指導実践」,「患者・顧客との接遇」,「処方せんの監査と疑義照会」の3項目であるの対して,女子学生は「服薬指導実践」,「患者・顧客との接遇」,「処方せんの監査と疑義照会」を含め7項目であった.また,施設に行く順番では,薬局病院組が「服薬指導実践」,「患者・顧客との接遇」,「処方せんの監査と疑義照会」の3項目であるの対して,病院薬局組が「服薬指導実践」,「患者・顧客との接遇」,「処方せんの監査と疑義照会」および「医師や医療スタッフへの情報提供」を含めた4項目であった.また,男女間および施設に行く順番による 2群間の比較を,Mann-Whitney U testを用いて解析したところ,有意な差が認められなかった.

表10

ストレス強度(薬局)

表11

Q6,Q7ストレス強度(因子解析)

考察

薬学6年制教育における長期実務実習は,将来的に薬剤師になる学生が薬剤師としての実践的な態度・能力を身につけることを目的として実施されている.しかしながら,大学とは異なった環境での長期の実習は学生に様々なストレスを与えている可能性があり,また,そのストレスの種類や程度が性別間,あるいは病院が先か薬局が先かといった施設に行く順番等でも異なることが推察される.

不安を感じる実習項目についてのアンケートでは,病院・薬局どちらとも(表24),コミュニケーション系の項目が上位を占める結果であり,この結果は,臨床現場で実際の患者と初めて向き合うという状況を考慮すると,当然の結果だと考えられる.一方,調剤・製剤に関する技能的な項目に関しては,項目により男女間や施設に行く順番での差異が認められた.特に,病院実習項目である「薬物モニタリング(TDM)実践」については,薬局病院組の方が,病院薬局組に比べて不安を感じる学生が多かった.その理由としては,大学の講義・実習でも,TDMについては,言葉や基本的なことは習っているが,実際に病院実習でどのようにTDMを行っているかは不明な部分が多く,薬局病院組にとっては,薬局実習中もTDMについて不安を持つ時間が長かったために病院薬局組よりもポイントが高くなったと推察された.また,薬局実習の項目の中で不安に感じる学生の割合が高かった「在宅医療実践」では,大学での講義・事前実務実習であまり馴染みがなく,学生自体も何をするのか,どのような知識が必要なのか等,情報がないことが原因となったのではないかと推察された.

コミュニケーション系の不安項目である服薬指導において,特に病院実習では外来患者に対する「服薬指導(外来)実践」と入院患者に対する「薬剤管理指導業務実践」の選択肢を提示して回答させたが,結果として「服薬指導(外来)実践」(全体の69.4%)が不安項目第1位であり「薬剤管理指導実践」(全体の32.4%)が第4位と,同じ服薬指導項目にも拘らず37ポイントの大差が生じた.これは,「薬剤管理指導実践」が入院患者への服薬指導を含む病棟業務であることが学生に十分に伝わっていない可能性が考えられた.また,このことが病院における不安項目のアソシエーション分析において,「服薬指導(外来)実践」と同様に結論部分に位置付けられるものと考えられる「薬剤管理指導実践」が条件部分に位置づけられたという現象をもたらしたと考えられた.

また,このアンケートを実施した時にはすでに実習が済んでいるため,その結果を踏まえて回答している可能性があり,したがって,不安を感じる項目とストレス強度が高かった項目の順位はほぼ似たような順位になったのではないかと考察している.今後はこの点を考慮して,実習前と実習後にそれぞれアンケート調査を行う予定である.

Q4の「ストレスを感じた時期」については(表6),病院実習は11週間すべてにおいて,ストレスを感じているが,薬局実習では全実習期間より,初日にストレスを感じ,その後,実習に慣れてくるという結果を示唆している.さらに,興味深いことに,病院薬局組の学生の多くは,病院および薬局の初日にあまりストレスを受けていないという結果であった.考えられる理由の1つとしては,病院実習の場合は,11週間のあいだに薬剤管理指導や注射剤調製などをローテンションしながら実習を行うために,初日よりも実習項目が変わる日の方がストレスを感じたためではないかと推察される.また,大学附属の病院や薬局で実習を行う大学と調整機構を通して各病院・薬局に各大学から学生1名ずつで実習を行う場合では,受けるストレスも大きく違うことが予想され,複数の大学と連携をとりアンケート調査をする必要があると考え,現在検討を行っている.さらに,病院と薬局実習においても,ストレスを感じる時期に違いがあることが示され,特に薬局病院組の学生は薬局・病院実習の初日にストレスを受けやすい学生が多い傾向が示されたので,病院薬局組も含め,初日までにストレス要因を取り除けるようなアドバイスを行い,不安軽減につなげていければと考えている.

Q5の「どのようなときにストレスを感じたか」では(表7),男女間では「指導薬剤師に対する不満」や「施設のスタッフに対する不満」で差異が観察されている.また,施設に行く順番では「施設のスタッフに対する不満」で差異が認められ,薬局病院組の約42%の女子学生がこの項目を選択している.理学療法士の臨床実習において,学生の心理状況は学生の性別と実習指導者の性別の組合せによっても相違がでることが報告されており,同性同士の場合は不安感・辛さが強いと楽しさ・やり甲斐が低くなることが報告されている5).病院・薬局で勤務している薬剤師は女性のほうが男性薬剤師より約2倍多いので6),女子学生の方が同性同士の組み合わせになる可能性が高く指導薬剤師や施設のスタッフに対する不満が高くなったと考えられる.

アソシエーション分析(表8)で女子学生の結果を用いて解析した場合のみにルールが検出された理由としては,指導薬剤師に対する不満が男子学生と比べ高いことが挙げられる.アソシエーション分析では,たとえば,「実習が長い・不規則」に対してストレスを感じた学生の75%は「指導薬剤師に対する不満」を感じているという結果を示しているが,指導薬剤師に対して不満があるので,実習が長く・不規則と感じてストレスを感じているのか,またはその逆で実習が長く・不規則なので,指導薬剤師に不満があるのかははっきりしない.したがって,ストレスの原因を詳細に検討することにより,他のストレスの原因も同時に取り除ける可能性が考えられる.

Q6,7の「ストレス強度」については(表910),Q2,3(表24)同様に病院・薬局どちらとも,コミュニケーション系の項目が上位を占める結果であり,予想され得る結果であった.興味深い結果としては,「医師や医療スタッフへの情報提供」が,病院実習ではコミュニケーション系に,薬局実習では調剤系に分類されたことである.この結果は,学生が病院および薬局における薬剤師の立場をどう理解したかを反映したとも考えられる.すなわち,薬剤師は病院においては,主に患者と医師・医療スタッフと,薬局においては,主に患者とのコミュニケーションに重点を置きながら業務を行っていると感じた結果と考えている.

病院・薬局両実務実習において,個々の項目について,男女間,施設に行く順番に関して有意な差異は認められないが,今回調べた14項目,19項目ほぼすべてに対して男子学生よりも女子学生の数値が高い結果であった.したがって,この結果より,長期実務実習では女子学生の方が精神・身体的にストレスを受ける可能性があり,身体あるいは精神の健康に影響を受けていないか注意を払うべきであることが示唆された.特に,対人関係に関しては,厚生労働省が行った平成27年労働安全衛生調査(実態調査)からも,女性において,対人関係をストレス要因に挙げることが多いという結果が示されている7).したがって,指導薬剤師や医療スタッフとの関係に関してこまめに話を聞くなどの積極的な教員の働きかけ等がストレス軽減に繋がると考えている.

これまでに薬学部学生を対象として日本語版POMS(Profile of Mood States: POMS)検査用紙を用いた心理的ストレス反応の測定,自己効力感の評価8)や職業性ストレス簡易調査表(the Brief Job Stress Questionnaire: BJSQ)やコーピング特性簡易尺度(the Brief Scales for Coping Profile: BSCP)を用いたストレス自覚的因子,及びストレス対処特性の調査や解析9,10) が行われている.これらの研究は,緊張―不安(POMS)や心理的な実習の量的負担感(BJSQ)といった大まかなストレス要因やストレス反応についての結果は得られやすい反面,具体的な原因を特定するには,さらに他の調査が必要と考えられたため,本研究では,実務実習で修得を目的に示されている項目に対するストレス調査を行い,どのような項目に対してストレスを感じているかについて検討を行った.

今後,我々も今回の結果を基にPOMSなど既知のストレス評価系と組み合わせたストレス評価を行い,ストレスの原因がどのような気分・感情の状態で生じる可能性があるのか評価し,ストレスおよびその原因を含めて取り除けるような適切なサポート体制を整えていく必要があると考えている.しかしながら,効率の良い実務実習の遂行および実務実習の継続不可能の回避の為には指導者(教員および指導薬剤師等)介在によるストレス回避は重要であると考えられるが,必要以上の介在による学生のストレス対処力の減少(過保護状態)に繋がらないように注意する必要があり,今後の課題でもあると考えている.

謝辞

本研究は,平成28年度科学研究費補助金(課題番号16K08879)の助成により行われたものである.

発表内容に関連し,開示すべき利益相反はない.

文献
 
© 2017 Japan Society for Pharamaceutical Education
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