日本公衆衛生看護学会誌
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研究
行政保健師の「仕事の要求」と「仕事の資源」の概念の明確化
―離職を考えた状況と職場にとどまった思いの記述を通して―
井口 理
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2014 年 3 巻 1 号 p. 11-21

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抄録
目的:保健師が離職を考える状況と職場にとどまった思いを記述し,離職意図に関連する保健師の「仕事の要求」と「仕事の資源」の概念を明確にする.
方法:保健師8名への半構成インタビュー
結果:仕事の要求は【仕事の量的負担】【業務内容の質的負担】【変容する多様な職務】【専門職としての役割葛藤】【対人関係の葛藤】【上司のリーダーシップ不足】【事業評価体制の未整備】【部門文化に対応する負担】【組織内での健康部門の軽視】【組織特性による対応困難】【仕事と個人のネガティブな相互作用】の11のカテゴリ,仕事の資源は【職務への満足感】【仕事の有意義感】【仕事のコントロール感】【他者からの評価・期待】【同僚・先輩・上司の支援】【家族・友人の支援】【雇用の安定感と厚待遇】【仕事と個人のポジティブな相互作用】の8つのカテゴリで構成されていた.
考察:保健師の「仕事と要求」と「仕事の資源」は,個人/部署/組織レベルの階層構造をもち,仕事と個人が相互に影響していると考えられた.
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© 2014 日本公衆衛生看護学会
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