日本公衆衛生看護学会誌
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研究
市町村保健師の精神障がい者支援に関する意識と精神保健福祉活動状況との関連
長澤 ゆかり山口 忍綾部 明江鶴見 三代子
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2017 年 6 巻 2 号 p. 159-167

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抄録

目的:市町村保健師の持つ精神障がい者支援に関する意識と市町村の精神保健福祉活動の実施状況との関連を明らかにする.

方法:平成25年7月~8月に市町村保健師550人を対象として自記式質問紙調査を実施.

結果:有効回答205件(有効回答率37.3%).市町村では「定期相談事業」は73.7%,「デイケア事業」は49.8%が実施し,「随時所内相談」などの活動は,96~100%が実施していた.90%以上が「市町村保健師にとって精神障がい者支援は重要」で「実施すべき」と考え,60%以上が活動にやりがいを感じていたが,保健師特有の活動方法を意識しているのは,半数以下だった.

考察:精神分野では保健師特有の活動が浸透していないと推察されたが,定期的に対象者と接点がある方が支援に対する意識が高まることが示唆された.経験を重ねることが,保健師自身の積極的な取り組みや市町村全体の精神保健福祉の充実につながると考えられた.

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