日本公衆衛生看護学会誌
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研究
保健師が捉える第一次産業従事者にとっての健康
小澤 涼子吉田 礼維子大森 純子
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2018 年 7 巻 3 号 p. 143-150

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抄録

目的:保健師が捉える第一次産業従事者にとっての健康を明らかにする.

方法:第一次産業が主要な町に勤務する経験年数が5年以上の保健師8人に半構造化インタビューを行い質的記述的に分析した.

結果: 保健師が捉える第一次産業従事者にとっての健康には,【自然の恩恵を生業として暮らしている】【生活を守るために稼ぐことを優先している】【働くために体を資本としている】【働く仲間をいたわっている】【生産者として食文化を発信している】【自分の生業に誇りを持っている】の6つの安寧な状態としての意味内容があった.

考察:保健師の捉えから第一次産業従事者にとっては,自然に合わせて働き,家族や仲間との間柄を重んじ,生産者として暮らしを営むことそのものが安寧な状態としての健康であると考えられた.自然や仲間との暮らしや,生産者の役割から従事者を理解することによって健やかに働き暮らすための支援の検討が可能となると示唆された.

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© 2018 日本公衆衛生看護学会
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