日本植物病理学会報
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オリーブ炭疽病菌の菌体成分並に栄養吸収に及ぼす2,4-Dの影響に就いて
内藤 中人谷 利一
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1955 年 20 巻 2-3 号 p. 89-92

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抄録

(1) 2,4-D添加のペプトン加用合成液に培養したオリーブ炭疽病菌々体の一般成分々析を行うと共に, 本菌が培地より吸収する葡萄糖及び窒素を定量して無添加培地のものと比較した。
(2) 2,4-D添加培地に培養した菌体に於ては稀塩酸抽出物と残渣が増加し, ヘミセルローズとキチン様物質の増加を推定せしめ, 又熱水抽出物も増加する。之に反しエーテル抽出物と冷水抽出物は減少するが, 之は栄養的に高エネルギーの脂溶性物質並に直接代謝に関係する水溶性物質の減少を意味するものである。全窒素には大した変化が認められない。
(3) 2,4-D添加培地では菌体の発育が悪いから, 培地より吸収される葡萄糖と窒素の絶対量は減少するが, 単位菌体重当り吸収量は何れも標準区に比し著しく多い。菌体内の窒素の含量は低いにも拘らずその吸収が極めて旺盛な事は, 窒素の著しい異状代謝が行われている事を推定せしめる。

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