日本植物病理学会報
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原著
  • 川上 拓, 村田 つばさ, 中嶋 香織, Roselyn Jove UY, 中島 千晴
    2026 年92 巻1 号 p. 1-13
    発行日: 2026/02/25
    公開日: 2026/02/25
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,2018年から2021年にかけて三重県の果菜類において採集したペンチオピラド耐性灰色かび病菌を用いて,その他のSDHI剤5剤に対する交差性および交差性パターンの異なる株の年次推移について調査した.供試したペンチオピラド耐性株は,交差耐性の異なる5つの主要パターン(A~E)に分類された.SdhB遺伝子のP225F変異が推定され,用いた5剤全てに交差耐性を認めたパターンEを示す菌株の検出割合が最も高かった.また,フルオピラム,イソフェタミド以外の薬剤に耐性を示すパターンDおよびそれ以外のパターンを示す菌株は,H272Y変異株と推定された.本研究では,パターンEおよびDを示す菌株検出割合が最も高かったことから,これらの菌株が,三重県の果菜類で増加傾向にあるSDHI剤耐性灰色かび病菌の優占系統であると考えられた.さらに,イソフェタミド耐性系統の当該薬剤に対する感受性について調査したところ,これらの菌株は当該薬剤に対するMIC値が高くなっている傾向が確認され,イソフェタミドに対する感受性の低下が懸念された.

    また,イソフェタミドを散布していない圃場でも同剤に対する耐性系統が認められたことから,異なるSDHI剤を複数回散布することによってイソフェタミド耐性系統(P225F変異系統)が顕在化する可能性が示唆された.今後,耕種的防除はもとより,SDHI剤の散布回数の制限により本剤に対する耐性菌の顕在化を防ぐ必要がある.

短報
令和7年度地域部会講演要旨
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