抄録
本論文は抵抗性の異る馬鈴薯品種を通過した疫病菌の病原性の変化についての実験及び観察の結果をのべた。
(1) 馬鈴薯の14品種について, 塊茎による抵抗性の検定を行い, その結果に基き, 罹病性の男爵薯と抵抗性の種間雑種42044-15を以後の実験に用いた。
(2) 罹病性の品種を通過した疫病菌は, 抵抗性の品種を通過したものよりも病原性が強い。
(3) 同一品種を3回連続通過しても, その菌の病原性は固定しない。
(4) 疫病菌の病原性の変化は, それが最後に通過した品種によつて決定される。