抄録
キュウリ露菌病の病斑上での分生胞子の形成順序について観察を行つた。
(1). 供試材料を装置後約2時間で分生子梗の形成が開始される。分生子梗が僅かに伸びてから伸長を停止するものがかなり見受けられるが,これらは分生胞子を形成するに至らなかつた。
(2). 装置後6時間30分~9時間で分生子梗の分岐が始まる。分岐は次々に叉状に行われるが,分枝によつては分岐を停止するものもあるので最終の分枝(極枝)数は一定しない。
(3). 装置後7時間20分~9時間40分後に分生胞子の形成が始まる。分生胞子は極枝の先端に1個づつ一斉に形成されはじめ無色であるが形成の半ば頃から着色する。分生胞子は50~70分の極めて短い時間で完成する。
(4). 分生子梗が分岐中に悪条件にあえば直ちに分岐を停止して胞子形成を開始する。