1994 年 60 巻 4 号 p. 483-486
岡山県内に導入したナス青枯病抵抗性台木“トルバム・ビガー”が青枯病細菌III群菌汚染圃場において本病が多発した原因を解明する目的で,本台木の抵抗性発現に及ぼす温度の影響を調べた。高温条件(30∼35°C)下で“トルバム・ビガー”は,III群菌に対して罹病性となり,IV群菌に対して発病度が高くなる傾向であった。しかし,高温条件下においても,I, II群菌に対しては安定した抵抗性を示した。25, 30, 35°Cの各静置培養条件下での供試菌株の増殖性には各菌群間に顕著な差はみられなかった。これらのことから,青枯病細菌のIII群菌に対する“トルバム・ビガー”の罹病化は高温条件(30∼35°C)に起因すると考えられた。