抄録
本研究の目的は, あいまいさへの耐性と集団同一性が, 新入成員への寛容的反応に及ぼす効果を検討することである.寛容的反応尺度の因子分析により, 積極的関与と異質耐性が抽出された.この下位尺度を用いて, あいまいさへの耐性と集団同一性が, 寛容的反応に及ぼす効果を検討した(被験者:大学生, 専門学校生310名).あいまいさへの耐性は, 異質耐性を向上させていた.一方, 集団同一性は, 積極的関与を高める効果を示した.異質耐性に対して, あいまいさへの耐性と集団同一性との交互作用効果がみられた.これらの結果の検討を通して, 新入成員への寛容的反応の生起に必要な条件が考察された.