抄録
本研究では,どのように開示するかを測定するための「適切な自己開示尺度」および「不適切な自己開示尺度」を作成し,その因子構造,信頼性および妥当性を検討した.さらに,被開示者の反応を測定するための「聞き手の受容的反応尺度」および「聞き手の拒絶的反応尺度」を作成し,因子構造,尺度の信頼性および妥当性について検討した.研究1では,適切な自己開示尺度および不適切な自己開示尺度についてそれぞれ3因子,4因子を採用した.聞き手の受容的反応尺度および拒絶的反応尺度については,それぞれ4因子を採用した.内的整合性がよく,再検査信頼性が高かった.研究2では,これらの尺度の併存的妥当性がある程度示された.今後はさらに,サンプル等を配慮して検討していきたい.