心身医学
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長年にわたり自律神経失調症として治療されていた原発性甲状腺機能低下症を伴ったACTH/LH欠損症の1例
松林 直広山 夏生森田 哲也東 豊児島 達美玉井 一長門 宏
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1996 年 36 巻 6 号 p. 519-524

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抄録
原発性甲状腺機能低下症を伴ったACTH/LH欠損症の48歳の女性を経験した。患者は32歳時頃より、全身倦怠感、めまい、嘔気、不安感、悲哀感などを訴え、38歳時、当科関連N病院心療内科を受診し、不安、うつ状態を伴った自律神経失調症と診断された。夫婦関係が問題とされ、心理教育的アプローチが夫婦になされたが、症状の消失はなく、患者は頻回の入退院を繰り返した。平成5年、多彩な症状が持続していることから、内分泌疾患、特に下垂体疾患を疑い、関連検査を行ったところ、原発性甲状腺機能低下症を伴うACTH/LH欠損症が明らかとなり、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンの補償療法を行ったところ、症状の改善をみた。
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© 1996 一般社団法人 日本心身医学会
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