心身医学
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巻頭言
第59回日本心身医学会総会ならびに学術講演会
パネルディスカッション 新専門医制度世代の若手に心身医学のエッセンスをどう伝えどう評価するか
  • 端詰 勝敬, 大谷 真
    2019 年 59 巻 6 号 p. 508
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー
  • 庄司 知隆, 福土 審
    2019 年 59 巻 6 号 p. 509-515
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー

    新・専門医制度が開始されようとしている. 内科を基本領域とする場合, 3年間の新・内科専門医研修後に心療内科専門医を取得する. 新・内科専門医研修では新たに総合内科Ⅰで心身医学領域の研修を求めている. 睡眠障害, 睡眠薬および抗不安薬は経験すべき症例に挙げられ, 機能性ディスペプシア, 過敏性腸症候群および身体表現性障害は知識として理解すべき疾患となった. そのため心療内科専攻医およびその他の内科専攻医とも『心身症』を内科疾患として理解することが好まれるようになると予想する. 心療内科指導医は心身相関の科学的理解をベースに心身症を説明かつ治療してみせる必要が出てくる. 心理療法に興味がある内科専攻医には心理学的理解と魅力を伝え, 内科的思考を好む心療内科専攻医には病態生理学的理解と魅力を伝えるなど, 両者とも惹きつける活動がポイントとなる. 新・内科専門医制度は心療内科を広める絶好の機会と考えられる.

  • 奥見 裕邦
    2019 年 59 巻 6 号 p. 516-526
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー

    日本内科学会総合内科専門医プログラムの実施に合わせ, 心療内科はその専門分野として認められる可能性をもちながら, まだ実現に至っていない. 結果的に新規の内科系を希望する医師に対し, 心療内科が 「内科の1つ」 であるとする訴求力が弱いことは否めず, 当初から心療内科医を志す医師でさえ, 5年の研修期間にほとんど自科を研修できないという矛盾に陥る. 一方で内科専門医プログラムへの移行が実現した場合も, 心療内科専攻医のみでなく, 他の内科専攻医にも心療内科を正しく理解してもらうカリキュラムが必要である. ともすると専門的な心理療法などの教育に目が向きがちだが, 実は総合内科的な教育の中での心身医学教育のあり方を議論しまとめていく必要性がある. また, 心療内科専攻医については, 基本的な心身医学の実習のみでなく, 消化器, アレルギー, 呼吸器, 膠原病, 神経など, より特化した内科サブスペシャルティの研修を考慮せねばならない. 特に検査手技の取得や専門分野における器質的疾患の鑑別には, より細やかな内科的専門分野を研修すべきであることも考慮せねばならない. 消化器心身症を専門とし, 大学の内科学会専門医プログラム委員としての筆者の経験から, 新世代の医師と彼らの教育に携わる指導医に対し, 理想的な心身医学的教育のモデルを提案し, 今後の心身医学の発展を目論む. さらに心身医学分野においてまだ認知されていない, 内科専攻医向けの救急講習 (JMECC) における指導の重要性についても触れる.

  • 山田 宇以
    2019 年 59 巻 6 号 p. 527-531
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー

    心療内科教育は大学病院での卒前・卒後教育を中心に議論されている. 市中病院での取り組みはあまり報告されていない. 当院は市中病院での内科研修の一つとして心療内科研修を行っている. 当初は希望者に伝統的な徒弟制の研修を行っていたが, 教育効果は十分といえなかった. そのため2012年度より米国の心理士の大学院教育, 研修医への行動医学教育を参考に研修内容・方法を刷新し, “内科研修医が米国レジデント並みのアセスメント, 初期介入, 適切な専門家紹介ができること” を目標に1カ月間の外来中心の短期研修プログラムを作成した. 折衷主義で体系的な教育は従来とは異なるが, 研修医から継続して高い評価を得て心療内科研修は必修化され, 心療内科専門医志望を含む研修希望が増えるなどの変化もみられるようになった.

  • 大谷 真
    2019 年 59 巻 6 号 p. 532-537
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー

    2018年4月, 新専門医制度世代の若手医師の第1期生が初期研修を終え, 新・内科専門医, 心療内科専門医を目指す専攻医として研修を開始した. 従来, 医師3年目に1年間心療内科のみを研修すれば, 認定内科医の試験を受験でき, 認定内科医の資格を取得すれば, 心療内科専門医の受験資格を得られた. 一方, 新専門医制度では, 新・内科専門医の資格がなければ, 心療内科専門医の受験資格を得られないため, 初期研修修了後, さまざまな内科での3〜4年間の研修が必須となる. 内科系の研修をより長く経験できるようになったというメリットもある一方で, 心療内科専門医としての研修の開始の時期が遅くなっており, 新専門医制度の導入に伴って, 心療内科の研修体制も大幅な変革が求められている. 本稿では, 東大病院での新専門医制度に対応した心療内科の研修体制について概説したうえで, 若手への心身医学のエッセンスの伝え方と評価法について議論する.

自主シンポジウム 身体症状症および関連症群(身体表現性障害)の治療最前線
  • 福永 幹彦, 富永 敏行
    2019 年 59 巻 6 号 p. 538
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー
  • 水野 泰行
    2019 年 59 巻 6 号 p. 539-543
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー

    心身症は精神疾患を除外しているが, 実際には精神疾患に身体症状を伴った状態と身体疾患と精神疾患が併存した状態との区別は容易ではない. DSM-5で採用された身体症状症は精神疾患の病名だが, 身体疾患が存在しても除外はされないので心療内科でしばしば遭遇する. 身体症状症患者の示す過剰な思考, 感情, 行動は身体症状という対象を有するため, 精神疾患だからという理由で心療内科が対応しないのは困難であるし, 実際心身医学的アプローチで精神症状も含め治療可能なものも多い. 患者は多次元のコミュニケーションを取ることが多く, 表面的な要望だけでなく深層のニーズにも応えなければ治療関係の構築は困難である. 医師には過剰な訴えや要求をする患者に陰性感情を抱く恐れがあることを自覚したうえで, 判断や感情を自制する力が必要である.

  • 村松 公美子
    2019 年 59 巻 6 号 p. 544-553
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー

    DSM-5に新たなカテゴリーとして再構成された身体症状症および関連症群の特徴や歴史的変遷について述べた. 身体的愁訴 (機能性身体症状・心気症状) をもつ患者は一般科を受診し, 治療的介入が難しい. Biopsychosocial modelにおいて, Barskyが提唱した身体感覚増幅は, 表出される身体的愁訴 (機能性身体症状・心気症状) の認知的要因の一つとして俯瞰される. 身体感覚増幅をターゲットにして, 機能性身体症状・心気症状を自己管理するためのアプローチとして, Barskyが開発し, 筆者らが翻訳をした認知行動療法プログラムについて紹介した. 身体症状症の 「身体化症状」 に悩まされる患者群の治療は, 国内外で医療経済的観点からも, 今後も大きな課題となっていくものと思われる. 心身医学領域においてこそ, 「身体化症状」 への心身両面からの探求が可能であり, 多職種連携による包括的なアプローチの開発が可能である.

  • 名越 泰秀
    2019 年 59 巻 6 号 p. 554-559
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー

    身体症状症および関連症群 (身体表現性障害) の病態は, 薬物療法の観点では, 強迫, 不安・恐怖, 怒りに分類される.

    強迫に対しては, SSRIが有効である. SSRIで効果が不十分な場合は, D2受容体への親和性が高い抗精神病薬による増強療法が有効である. 早急な改善が必要な場合は, NaSSAの併用が有用である.

    不安・恐怖に対しては, ベンゾジアゼピン系抗不安薬, SSRIが有効である. 効果が不十分な場合, MARTAなどの抗精神病薬の併用が考えられる. また, 不安や恐怖の中枢である扁桃体の過活動に対するα2δリガンドの併用も選択肢の1つになりうる.

    怒りに対しては, 症例によっては抑肝散などの漢方薬やMARTAなどの抗精神病薬の投与を試みてもよいと思われる.

原著
  • 大津 光寛, 軍司 さおり, 苅部 洋行, 石川 結子, 若槻 聡子, 羽村 章
    2019 年 59 巻 6 号 p. 560-567
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー

    緒言 : これまでの研究では摂食障害の歯科的合併症は過食嘔吐が最大の要因であるとされてきた. しかし今回チューイングのみでほぼ全歯が残根状態となった症例を経験した. 症例 : 26歳女性. 精神科診断名 : 心的外傷後ストレス障害, 強迫性障害, 神経性やせ症過食・排出型, 選択的セロトニン再取り込み阻害薬服薬中. 歯科既往 : チューイング開始直後から歯痛などが出現し近医受診, 入退院を繰り返すうちに近医での治療が困難と判断され当センター紹介受診. 当センター受診時にはほぼすべての歯が残根状態であり, 咬合は崩壊していたため, チューイング内容の改善やチューイング後の口腔衛生指導を中心に対応した. 考察 : 本症例は加糖飲料などのチューイングを繰り返すことで口腔内が酸性に保たれ, う蝕発生環境が長期保持されることが歯科的問題を発生させることを示唆している. また, 服用中のSSRIの副作用も疑われた. これらの症例に対しては症例に合わせた歯科対応が必要である. また重症化を防ぐためにも広範囲への啓発が重要である.

連載 心身医療の伝承―若手治療者へのメッセージ
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