心身医学
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ストレス自覚度ならびに社会生活指標が腰痛・関節痛,肩こりに及ぼす影響 : 都道府県別データの解析
竹内 武昭中尾 睦宏野村 恭子錦谷 まりこ矢野 栄二
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2007 年 47 巻 2 号 p. 103-110

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抄録

ストレス自覚度や社会生活指標が,筋骨格系症状に及ぼす影響を評価するため,日本の国民統計データの解析を都道府県単位で行った.国民生活基礎調査,人口動態統計,厚生労働省衛生業務報告に基づき,1995年と2001年におけるストレス自覚度と19の社会生活指標の計20変数を抽出し,腰痛,関節痛,肩こりの有訴率との関連を調べた.因子分析の結果,19の社会生活指標は,「都市化」「加齢と生活の規則性」「個人化」の3因子に分類されたが,ストレス自覚度は,「都市化」因子に属する社会生活指標8変数と有意な相関があった.重回帰分析により,そうした「都市化」因子の影響を調整しても,ストレス自覚度は,腰痛(1995年と2001年)・関節痛(2001年のみ)・肩こり(1995年と2001年)と有意な関連が認められた.ストレス自覚度は,「都市化」因子と密接なつながりがあったが,その交絡要因の影響を調整しても,筋骨格系症状の有訴率に関連していることが示唆された.

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© 2007 一般社団法人 日本心身医学会
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