抄録
ストレスが恒温動物の深部体温に及ぼす影響に関して概説した.拘束ストレスをはじめ,多くの心理的,身体的ストレスは動物の深部体温を一過性に上昇させる.このストレス性体温上昇反応は感染,炎症によって生じる発熱反応と異なり,発熱物質である炎症性サイトカインやプロスタグランディンE_2非依存性の機序によって生じる.コミュニケーションボックスにより,連日,心理的ストレスを負荷したラットでは,非ストレスラットに比べ,昼夜ともに体温が高くなる.その一方で,強い拘束ストレスを受けたラットの体温は低下する.これらの動物実験の成果をもとに,心因性発熱,慢性ストレス状況で生じる原因不明の微熱の機序について考察した.