心身医学
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関係性交流分析 : 無意識の探求(<特集>医療における交流分析)
島田 涼子
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2011 年 51 巻 11 号 p. 1018-1024

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抄録

関係性交流分析(relational transactional analysis)は,関係性精神分析(relational psychoanalysis)から影響を受けたHargadenらによって提唱された.背景には,クライエントの多くが自己感に障害をもっており,従来の治療的介入に反応しないという今日的事実があった.関係性TAの最も大きな特徴は,クライエント-セラピスト関係を治療手段として中心に据える点にある.転移関係(間主観性)の体験を通して,セラピストが脅威的な衝撃を受けながらも一貫した自己を保ってその場に留まり,自身とクライエントの無意識を理解しようとするならば,分裂させた自己のすべての部分をコンテインし受容するクライエントのための,モデルとなるものと考えられる.

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© 2011 一般社団法人 日本心身医学会
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