論文ID: 2024008
目的:本研究の目的は,摂食障害発症要因の1つである客体化された身体への意識を測定するObjectified Body Consciousness Scale(OBCS)を邦訳し,日本語版OBCS(OBCS-J)について信頼性・妥当性を検討することであった. 方法:まずOBCSを翻訳し,その後インターネット調査会社を通じて調査参加者を募集し,質問紙調査を実施した. 結果:191名の女性を対象に,確認的因子分析,信頼性係数の算出,各下位尺度および摂食障害傾向,抑うつ,恥との相関分析を実施した.その結果,3因子構造よりも2因子構造のほうが当てはまりのよいモデルであり,信頼性係数,相関分析の結果は従来の研究知見と同様であった. 結論:OBCS-Jは2因子構造および3因子構造で許容可能な信頼性・妥当性を有していることが確認された.今後,客体化された身体への意識に対する緩和要因の検討や介入手法の開発が望まれる.