抄録
1999年のわが国の20歳未満の末期腎不全患者の調査を行った。1999年新規症例は102例 (男/女:67/35) で,原因疾患は異あるいは低形成腎が24.5%と最も多く,低年齢ほど腹膜透析がなされており,1年間の移植数は1000透析当り7例で全例が生体腎移植であり,死亡例はなかった。1998年の新規例の1年間の移植数は100透析当り10例で全例が生体腎移植であり,死亡数は100透析当り22例であった。1999年の20歳未満の既存症例は628名 (男/女:363/265) で,腹膜透析41%,血液透析17%,腎移植41%で,原因疾患はどの年齢においても嚢胞・遺伝性・先天性腎疾患が多かった。1999年の全症例の1年間の移植数は生体腎移植が49例 (92%),死体腎移植4例 (8%) で,100透析当り11例で,生体と死体腎移植の割合は10対1であった。1年間の死亡数は6例で,1000透析当り9例であり,死因は様々であった。