日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
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原著
当院における急性巣状細菌性腎炎6症例の臨床的検討
神岡 一郎田中 亮二郎古川 亮貝藤 裕史西山 敦史高橋 昌子田口 和裕五百蔵 智明久呉 真章桜井 隆児玉 荘一
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2002 年 15 巻 1 号 p. 43-46

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抄録
 急性巣状細菌性腎炎 (acute focal bacterial nephritis: AFBN) は腫瘍形成を伴わない腎実質の炎症性疾患である。我々が経験した6症例について臨床的に検討したところ発熱以外の所見に乏しく,すべての症例で入院時の白血球数とCRP値は高値であったが,尿中白血球数が増加している場合や尿培養が陽性であった症例は少なかった。画像診断では腹部エコー施行全症例において病変部位は高エコー域でありカラードプラにて無血管領域として描出され診断に有用であった。腹部エコーは非侵襲的であり簡便に施行できるため臨床所見に乏しい発熱を伴う症例に施行する必要があると思われた。さらに造影CTでは病変部位はlow density areaとしてみられ,エコーとの併用が有用である。
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© 2002 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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