抄録
MCに合併したFSGS2例の報告で,4歳女児で,眼瞼下垂,眼痛,成長障害などでMCと診断され,4年後,尿所見の出現でFSGSを呈した。その後の腎機能は保たれている。生後4ヵ月の乳女児で,生れつき栄養が取れず,嘔吐,痙攣,眼震があり,ネフローゼと血尿を認め,生検でFSGSを見た。細動脈壁の硬化はなく,糸球体上皮に異常なMt集積を電顕で認め,分節状硬化巣の成因に上皮異常が関与しているとしている。 第2例目は多臓器不全で死亡し,剖検が行われ,腎ではFSGSと間質線維化が進展し,半月体様の上皮増生を認めている。ただし,MCを示唆する横紋筋や他臓器所見に乏しかった。