2019 年 32 巻 2 号 p. 124-129
15 歳,女子.2 週間続く発熱を認めた際に骨盤内の胚細胞性腫瘍を指摘され,1 か月後に摘出術を受けた.手術4 週間後に発熱と腎機能障害,血尿・蛋白尿を認め当科に入院した.眼所見に異常はなく,腎病理所見で尿細管間質にびまん性の単核球浸潤を認め,尿細管間質性腎炎(tubulointerstitial nephritis: TIN)と診断した.ステロイドパルス療法で速やかに解熱し,腎機能や尿所見は改善した.後療法のプレドニゾロンを23 か月かけて1 mg/日まで減量したところ,羞明感と眼球結膜充血を認めた.眼科でぶどう膜炎を指摘され,TINU (TIN and uveitis)症候群と診断した.腎炎の後,非典型的に長期間経過して眼症状を発症した可能性や,ステロイドの減量に伴い眼症状が顕在化した可能性が考えられた.TIN では診断時だけでなく,継続的に,もしくは眼症状を認めた際に速やかな眼科的評価が必要である.