日本小児腎臓病学会雑誌
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原著
清潔間欠導尿を要する二分脊椎患児における腎障害発生のリスク因子の検討
西村 竜哉日比野 聡田中 一樹北形 綾一湯澤 壮太郎藤田 直也
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2022 年 35 巻 1 号 p. 19-26

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抄録

二分脊椎では開放性で90%以上,潜在性で約40%に下部尿路機能障害を合併し,一部に腎障害を引き起こす.当センターで清潔間欠導尿を継続する二分脊椎症例のうち,99mTc-dimercapto succinic acid(DMSA)腎シンチグラフィを行った例を対象として,逆流性腎障害分類のGroup 2以上を腎障害ありと定義し,腎障害発生と関連し得る患者背景や臨床的特徴を後方視的に検討した.対象は62例で,うち15例(24%)に腎障害を認めた.潜在性二分脊椎は有意に腎障害と関連し,リスク因子と考えられた.その他,高度の膀胱尿管逆流や水腎症,有熱性尿路感染症も腎障害と有意な関連を認めた.下部尿路機能障害を合併した潜在性二分脊椎の患児は,開放性の児と比較して腎障害を発症しやすいと考えられた.腎障害の高リスク因子が併存する二分脊椎患児の診療では,下部尿路機能を適切に管理し腎障害を予防することが重要である.

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© 2022 一般社団法人日本小児腎臓病学会

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