抄録
幼児5,394人の収縮期圧,拡張期圧 (mmHg) を測定し,これらを従属変数 (Y) とした。対象の性,年齢 (歳),身長 (cm),体重 (kg),体格指数 (kg/m3),心拍数 (/min),測定季節 (夏,秋,冬),居住地域,血圧測定者 (No.1-5) を独立変数 (X1-X15) とし,stepwise regressionを行った。収縮期圧については身長,心拍数,体格指数,測定者No.1,体重,秋,測定者No.3が,拡張期圧については心拍数,身長,測定者No.1,体格指数,体重が有意な因子だった。幼児期の血圧値は身長,体重,体格指数が大きく,心拍数が多いほど上昇していた。しかし,性,年齢,居住地域は影響していなかった。幼児の血圧値を評価する際には,同じ年齢であっても身体発育の良好なものでは血圧が高くなる傾向があることを考慮すべきと考えられた。