論文ID: cr.2017.0126
Branchio-oto-renal (BOR) 症候群は鰓原性器官の形態異常,難聴,腎尿路異常を3 主徴とする症候群であり,EYA1 の異常が病因の一つとされている。EYA1 に新規の変異を認め,脳海綿状血管腫 (cerebral cavernous malformation: CCM) を合併したBOR 症候群を経験した。症例は1 歳10 か月の女児。出生時に両側側頸瘻,両側の難聴,両側の水腎・水尿管症を認めたためBOR 症候群と診断した。また母親は耳前瘻孔と難聴を認めていた。突然の無熱性強直間代性痙攣を発症し,MRI にて右頭頂葉にCCM を認め,遺伝子解析にてEYA1 のexon 13 に新規の変異をヘテロで認めた。EYA1 の変異を伴うBOR症候群にCCM を合併する症例は今までに報告がないため報告する。