日本小児腎臓病学会雑誌
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シクロスポリン投与によりステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の長期寛解を維持しているGalloway-Mowat症候群の1例
中溝 智也多田 憲正宇田川 智宏菊池 絵梨子亀井 宏一森 崇寧蘇原 映誠松岡 健太郎白井 謙太朗渡辺 章充
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: cr.2022.0206

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抄録

Galloway-Mowat症候群(GAMOS)は小頭症を伴う精神発達遅滞とステロイド抵抗性ネフローゼ症候群(SRNS)などの腎症を呈する疾患である.GAMOSにおける腎症は,治療抵抗性のため生命予後を規定する.今回シクロスポリン(CsA)で長期間の寛解を維持しているGAMOSの1例を報告する.1歳健診で精神発達遅滞,小頭症を指摘された.2歳時に蛋白尿を認め,5歳時にSRNSの基準を満たし,腎生検で巣状分節性糸球体硬化症を認めた.以上よりGAMOSと診断した.SRNSに対してCsAを導入したところ尿蛋白は減少し,7歳時に不完全寛解した.寛解維持した後にCsAの中止を試みたところ蛋白尿が増悪したため,CsAが尿蛋白減少に寄与していると判断した.腎毒性軽減のため8歳時から1日1回の投与へ変更し,14歳時の腎生検で明らかな腎毒性は認めなかった.CsAの単回投与は腎毒性を抑制し,GAMOS腎症のような遺伝性SRNSの予後改善に有効な可能性がある.

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© 2022 一般社団法人日本小児腎臓病学会

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