日本小児腎臓病学会雑誌
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乳幼児初発尿路感染症における高度膀胱尿管逆流合併リスク因子を用いた排尿時膀胱尿道撮影の適応に関する検討
宇都宮 靖梶 俊策林原 博長石 純一岡田 晋一
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論文ID: oa.2017.0120

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抄録

2011 年の米国小児科学会ガイドラインの乳幼児初発尿路感染症(UTI) 児に対する排尿時膀胱尿道撮影(VCUG)の適応は高度VUR を見逃す危険性が指摘されている。今回,多施設による前向き観察研究を行い,患者背景因子を含めた急性期因子の中から乳幼児初発UTI児における高度VUR 合併リスク因子を明らかにした。単変量解析の結果,腎膀胱エコー(RBUS)異常,血清CRP 値,血清プロカルシトニン(PCT)値の3 因子が3 度以上のVUR(VUR≥3)と関連する因子であった(各p<0.01)。また,多変量解析の結果ではPCT 値 ≥0.37 ng/mlが単独でVUR≥3 と関連する因子であった(オッズ比29.3,95%CI;3.7–236.0,p<0.01)。以上より,PCT 値 ≥0.37 ng/ml の乳幼児初発UTI 患者は高度VUR を合併しているリスクが高いため,VCUG を施行することが望ましいと考えられた。

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© 2017 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
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