日本小児腎臓病学会雑誌
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多囊胞性異形成腎に対する排尿時膀胱尿道造影の必要性の検討
桐澤 崇宏上原 央久河口 亜津彩荒木 義則西中 一幸
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論文ID: oa.2020.0187

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抄録

多囊胞性異形成腎(multicystic dysplastic kidney: MCDK) 患児に対する排尿時膀胱尿道造影(voiding cystourethrography: VCUG)の施行意義を後方視的に検討した.当院,国立病院機構北海道医療センターの 2 施設の MCDK 患児 36 例を対象にした.Vesicoureteral reflux(VUR) は 6 例(16.7%)に認めた.6 例中 5 例が grade III であり 1 例が grade I であった.全例に予防的抗菌薬投与を行ったが,grade III の症例のうち 2 例で有熱性尿路感染症を発症した.VUR が改善しなかった 1 例を追加した 3 例にデフラックス注入療法を施行し VUR は消失した.健側腎エコーの異常所見と VUR 合併有無について検討したが,相関は得られなかった.MCDK は機能的単腎であることから,逆流性腎症に伴う将来的な腎機能低下の進行を防ぐため,MCDK 患児に VCUG を施行する意義はあると考えられた.

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