日本小児腎臓病学会雑誌
Online ISSN : 1881-3933
Print ISSN : 0915-2245
ISSN-L : 0915-2245

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

浮腫の診かた・考え方
清水 正樹
著者情報
キーワード: 浮腫, ネフローゼ症候群
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: rv.2020.0002

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

浮腫とは細胞外液が血管外の間質に生理的な代償能を超えて過剰に貯留した状態である.その原因は多岐にわたり,①毛細血管内の静水圧上昇に起因するもの,②毛細血管内の膠質浸透圧低下に起因するもの,③血管透過性の亢進に起因するもの,④リンパ系およびリンパ系が流入する静脈系の還流障害に起因するものが挙げられる.浮腫の診察に際しては,浮腫の性状と分布を知ることが重要であり,圧痕があるか,ないか,圧痕の回復時間の遅い slow edema か,早い fast edema か,全身性浮腫なのか,局所性浮腫なのかをしっかり評価する必要がある.浮腫の病態は個々の症例ごとに,また病期により変化する.したがって浮腫に対しては,診察,検査所見の評価に基づいた適切な対応が求められる.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本小児腎臓病学会
feedback
Top