論文ID: rv.2022.2003
新生児に対する血液浄化の手段としては,これまで腹膜透析が一般的に選択されてきた.しかし近年は新生児,特に低体重児に対しても,体外循環を用いた急性血液浄化療法の施行例の報告が散見されるようになった.我が国では2013年に「体外循環による新生児急性血液浄化療法ガイドライン」が公表された.特に1 mL/分の低速度から設定可能な装置,半減期の短い抗凝固薬,小型カラムなどが我が国では頻用されており,これらが重症かつ低体重である児の予後改善に寄与している可能性がある.前述のガイドライン公表から約10年が経過した.今後はこれまでに得られた知見を集約し,新生児に対する同療法のさらなる安全性と有効性の向上を目指していく必要がある.