2024 年 44 巻 10 号 p. 465-469
序論:ピコ秒レーザーenLIGHTen®の短所を補う,老人性色素斑治療の新しい手法を報告する。
方法:波長532nm,パルス幅750ps,スポットサイズ2~3mmの設定で,病変全体に明瞭なimmediate whitening phenomenonが観察されるまで密に照射する。
結果:27歳,男性。左頬部の老人性色素斑に対しenLIGHTen® SRを使用し,波長532nm,スポットサイズ2mm,フルエンス1.0J/cm2,5Hzで治療を行った。1ヵ月後に炎症後紅斑や色素沈着,明らかな残存病変は認められなかった。
考察:小口径で密に照射することで,病変の残存リスクと周囲組織への熱損傷による炎症後色素沈着のリスクを下げる可能性がある。
結論:本手法は機器の特性を補い,習熟度に依存しにくい実施しやすい方法と考えられる。