編 集 後 記
人生100年時代の言葉が定着しつつある中,健やかな人生を歩むためには,リスクの見積もりにより,病気やケガを防ぐことや,病気を早期に発見して,適切な対策や治療を受けることが重要です.昨今,政府が掲げる「攻めの予防医療」を推進する柱の一つに「リハビリテーション」が明記されたことは,とても画期的と感じます.今後,これまで以上に母子保健や学校保健,地域保健,そして産業保健といった公衆衛生領域への理学療法士の活動が拡がることと思われます.
本号では,原著・調査報告・活動報告の4編を掲載しました.内沢氏は,頭上反復ビス打ち作業時に外骨格型ロボットアシストスーツを装着することで,身体的負荷を軽減し,作業効率の向上や筋骨格系障害リスクの低減に寄与する可能性を示しています.大古氏は,製造業従業員にアンケートを行い,業務特性や問題点を抽出し,それらに対応する疼痛予防セミナーを実施することで,プレゼンティーズムと疼痛の軽減効果を示唆しています.飯田氏は,健康経営優良法人を取得し,常勤の理学療法士が在籍する企業3社を対象に,半構造化インタビュー調査を実施して,健康経営における理学療法士の関与構造と役割に関する報告をしています.加納氏は,リハビリテーション職員のチーム間の情報共有を促し,相談しやすい職場環境づくりを目的に,対話を通じて相互理解を促すCREWプログラムを導入した結果,心理的安全性と礼節的風土の醸成に一定の効果を示したことを報告しています.
本巻に掲載された論文が,「産業保健理学療法」に携わる読者の皆さまに,新たな示唆をもたらすものと確信しております.最後に,本誌の発刊にご尽力いただいた査読者をはじめ,すべての関係者に心より感謝申し上げます.
(佐藤 友則)
編集委員会/編集委員長 佐藤 友則
編集委員 井元 淳 鈴木 博人 田邊 素子 松垣 竜太郎
※査読は日本産業理学療法研究会専門会員Aに依頼
日本産業保健理学療法学雑誌 第4巻 第1号
2026年8月12日 発行
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