抄録
出生時に腫瘤性病変により気道閉塞症状を呈する症例はまれである。我々は出生後より吸気性喘鳴, 陥没呼吸を認めた一女児例を経験した。初診時中咽頭後壁に有茎性の腫瘤を認め, 喉頭への陥頓により気道完全閉塞を呈する危険性があると判断し全身麻酔下に腫瘤切除術を行った。腫瘤は正常粘膜組織で覆われた軟骨組織であり病理学的には過誤腫と診断した。先天性病変であること, 軟骨組織を中心とした非腫瘍性病変であること, 中咽頭後壁より発生する腫瘤性病変であることより先天奇形のひとつであるcervical rib (頸肋) の可能性を考慮した。本症例は形態的には典型例と言えないが, 発生学的検討からcervical ribが発生機序に関与しているものと推測された。新生児において腫瘤性病変による上気道閉塞症状を呈した場合, 鑑別診断にcervical ribを含めた腫瘤性病変も考慮する必要がある