抄録
『小児呼吸器感染症診療ガイドライン2004』の中の小児の肺炎における原因微生物不明時の小児初期抗菌薬療法の中で, 使用を推奨されている抗菌薬の臨床効果を評価した。対象は2004年9月-2005年10月に当院に入院治療した6歳未満で, ウイルスやクラミジア, マイコプラズマをできるかぎり除外し, CRP3mg/dl以上の肺炎患者で検討した。治療群は以下の3群である。cefotaxime (CTX) 60-100mg/kg/day33名, ceftriaxone (CTRX) 40-60mg/kg/day40名, sulbactam/ampicillin (SBT/ABPC) 100-150mg/kg/day30名。有効率はSBT/ABPCが100%, CTRXが92.5%, CTXが90.9%で有意差を認めなかった。抗菌薬中止後1週間以内の再燃率はSBT/ABPCが10.0%, CTRXが8.1%, CTXが3.3%で有意差を認めなかった。